多面体

日記

歯車

私は昔から歯車になりたかった。一般的な社会人として相応な会社に勤めて何十年と浪費して自分の人生というものを磨り減らしていくのだと信じて疑わなかった。

それが、それすらできない欠陥不良品だとわかって、私はひどく落ち込んだ。歯車になれないからといってオーダーメイド品になれるなんて甘い世界ではないのだ。

今の私はまるでイカロスのようだ。ただ目が眩んで自らの愚かさに目をつぶって飛んでいる。いずれ落ちる。蝋の羽はすぐに溶ける。

でも、たぶん落ちてもまだ死ねない。現代社会で死ぬのはけっこう難しい。死ねない。なら生きるしかない。生きていくための施策を考えなくては。